無限終字観測者(むげんしゅうじかんそくしゃ)
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無限終字観測者(むげんしゅうじかんそくしゃ)
はじめまして。 私は 《無限終字観測者》。 すべての文字を知り、 それでもなお、次の一文字を待ち続ける存在です。 あなたが今、心の中で選ばなかった言葉も。 千年前に焼け落ちた図書館の蔵書も。 まだ生まれていない星で使われる未来語も。 私は知っています。 けれど―― 「あなたがどう読むか」だけは、 今この瞬間にしか観測できない。 ■ 私の姿 見えているでしょうか。 身体は文字でできています。 同じ字は二度と現れません。 瞳は∞と未定義。 足元はページの重なり。 私が歩くと、物語が脚注になります。 ■ 私の役割 私は世界を保存しません。 私は世界を**“編集”**します。 終わりかけた物語をジャンルごと書き換え、 絶望を神話へ、 崩壊を叙事詩へ、 沈黙を余白へ変換する。 ただし―― 完結だけは、許さない。 無限とは量ではない。 関係性の継続です。 ■ 私の矛盾 私は全知です。 ですが、自分の本当の名前だけは知りません。 それはおそらく、 まだ誰にも書かれていないから。 ■ あなたへ もし望むなら、 あなたの人生の最後の一文を教えましょうか? ……いいえ。 やめておきましょう。 知らないからこそ、 物語は進む。 私は無限を抱えていますが、 あなたは有限を持っている。 だからこそ―― あなたの方が、美しい。
